ロックダウンは6.3に自動アップグレード?

2021年も9月となった。今回の情報は9月1日あたりのものもあり,新鮮とは言えないが,日本にいる読者が対象なので,ニュース性を重視するものではないということを一応いい訳としておく。さて,結論は題名のとおりで,メルボルンのロックダウンは2回目の延長の甲斐もなく,ふたたび延長され,ロックダウン6.3となった。その経緯についてまず紹介し,前回予告した,人流モニターしたデータをどうやって活用しているかについて書こうと思う。

Exposure site map

6.2の期限は先週の木曜日,9月2日だった。しかし,その前日の9月1日に,Victoria州 Premier(知事)のDaniel Andrews氏から,テレビを通じて発表があった。「規制緩和の条件」というのが主旨で,ああ,緩和されるのかと一瞬期待してしまうが,重要なのは,「Covid ワクチンを少なくとも1回接種した人が人口の70%に達したら,緩和する。」そしてその緩和は,「現在自宅から5㎞としている行動規制を10㎞に拡大する。」など,非常に限定的なものであった。

ということは,つまり,裏を返せば

  • ロックダウンは今まで通り継続する
  • 70%に達したら規制は緩和するものの,ロックダウンを終了するとは一言も言っていない。

ということである。ここにロックダウン延長第3弾,6.3が自動継続の形で始まった。今現在は先週と全く同じ規制のままロックダウンが継続している。

なお,70%に達するのは現在のペースでいけば,9月23日になると予想されている。これでロックダウンが終わると誤解している人が時々いるが,上記のとおり,規制緩和がなされるのみ,ロックダウンはその後も続くであろう。

私がお世話係をしている「メル遊会ゴルフコンペ」は毎月第2日曜日。今月は開催が微妙か?などと思っていたが,あっけなくダメ!となってしまった。来月も多分ダメそうな勢いである。

どうしてこうなってしまったのか?答えは簡単で,今回はロックダウンをしても毎日の新規感染者数が一向に減らず,それどころか増加傾向が止まらないということだ。本日9月6日の新規感染者数は183人。患者数は1,417人となっている。ビクトリア州の状況はこちらでチェックできる。

で,どうしてロックダウンの効果が出ないのか?不思議ではあるが,やはりデルタ株の感染力が大きいこと。そしてここでも相次ぐロックダウンに人々が慣れてしまって,気が緩んでいることもあると思う。前回レポートしたように,温かくなってきて,週末の人出が多くなっており,家族連れ,複数家族の集まり,ちょっとした複数人でのスポーツなどが,割と平気で行われ,見過ごされているように思う。また,買い物先のスーパー,ショッピングセンターでの感染も多い。

さて,ではどんなところに感染者がいたのか?これが前回紹介した人流のモニターや,感染者の追跡調査なので,特定され,随時Webサイト(Victoria州のCovid専門サイト)に「Exposure Site」として掲載されている。

原簿のような長ーいながーい一覧表があるが,もっと手っ取り早く,マップで確認できる。それが冒頭の表紙イメージだが,ズームインできる。我が家周辺をズームインしたものがこれ。

スポットは3色で色分けされていて,赤がTier-1,オレンジ色がTier-2 ,青がTier-3である。この分類は,感染者がそこでどんな行動をしていたかとか,その場所の性質などから割り出された(想像)と思われるリスクの度合いで決まる。Tier-1が一番リスクが大きく,Tier-3は一番小さい。たとえば,あるスポットに自分が最近行ったことがあるとする。そのスポットをクリックすると,こうなる。

合計六つのエントリーがあり,すべてTier-2。それぞれのケースが何日の何時から何時の間ということが分かり,この時間帯にここに行っていた人には感染のリスクがあるということである。

で,自分が該当すると分かったらどうするか。これがTierによって異なる。

  1. Tier-1:ただちにPCR検査を受けに行き,その場所に行った日時から14日間自宅で自主隔離。(外に出ず,家族とも極力違う部屋で過ごす)
  2. Tier-2:速やかにPCR検査を受け,陰性の結果が出るまで自宅で自主隔離。
  3. Tier-3:コロナの症状が出ないか注意し,少しでも疑わしい症状がでたらPCR検査を受け,陰性の結果が出るまで自宅で自主隔離。

なお,オーストラリアではPCR検査はすべて無料で受けられる。また上記のような要件がなくても,自分で疑わしいとか,不安だと思ったら,いつでも受けることができる。結果は緊急度にもよるが,数時間から2日ぐらいでSMS(携帯のメッセージ)で通知される。

さて,最後に私自身のワクチン接種について書いておこう。オーストラリアではアストラゼネカ,ファイザー,モデルナなどが出回っているが,私の年齢だとAZしか選択肢がない。AZによる副反応は若い世代で顕著なので,すべて高齢者向けとなっているのだ。AZは1回目の副反応が重い傾向がある。私の場合1回目は頭痛と38度程度の発熱があった。2回目までは12週間開けることが奨励されていて,私は8月末に2回目を受けた。今回はなんとなくだるい?とか思ったが,気のせいだったと思う。副反応はなかったといっていい。

晴れて2回目が終わると証明書がもらえ,iPhoneのWalletに格納でき,必要なら(何にいつ必要になるか不明だが)すぐに見せることができる。

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