ギンさんの買い物

キンさんとギンさんが養老院の中庭のベンチに並んで座っていた。
キン:「ギンさんや,セガレが海外出張行ってねえ,ほら,また免税のタバコ買って来てくれたんだよお。あんたにも,1箱あげるよ」
ギン:「ありゃあ,いつもすまないねえ。わたしゃこのラクダのやつが大好きでねえ,うまいよねえ」
キン:「やだよお,ギンさん,こりゃあ,キャメルっていうんだよお。何度いったらわかるんだねぇ?」
ギン:「あら,そうかい,まあなんでもいいさあ。わたしゃ横文字にゃとんと弱くってねえ。」
キン:「まあ,私も弱いけどねえ,こればっかりは覚えとかなきゃセガレに頼めないだろう?」
ギン:「スパーッ,ああ,いいねえ外国のタバコは」

二人がタバコを吸っていると,やがて雨がポツポツと降り出した。
キンさんはやおらコンドームを取り出すと,先端をはさみで切って,タバコにかぶせて,そのままそのタバコを吸い続けた。

ギン:「なんだいそりゃあ?」
キン:「やだねえ,あんた,長年使わないんで忘れたのかい?こんどーさんじゃないかい。」
ギン:「ありゃ,そうだったんかい。そりゃーいい考えだ。それなら,雨ン中でも吸えるってわけかい。それ,どこで買ったんだい?」
キン:「いやだよ,この人は,クスリ屋に行きゃあ,どこにでも売ってるよお」

次の日,ギンさんは,近所のマツモトキヨシに行って,
「コンドームちょーでゃー」と店員に言った。
その店員は若い見習いバイトの男だった。
どう見ても80過ぎのおばあちゃんだったので,びっくり仰天。恥ずかしさもあり,異様に緊張して言った。

店員:「あのー,コンドーム?で,よろしかったですか?」
ギン:「そーでゃわー」
店員:「えと,えー,あのー,サイズの方は?」
ギン:「サイズ?ああ,ラクダのやつに合えば何でもええがな」

店員はその場で卒倒した。

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