昔,宇宙戦艦ヤマトっていうアニメが流行った。アニメという言葉もあのテレビシリーズの映画化あたりから出てきたんじゃなかったか。
あのドラマで,地球を攻撃しているガミラス星というのは,科学技術が地球より30年進んでいるという設定だった。あれ,25年だったかな?定かでないが,とにかくそんなものだったと思う。30年って,ガミラスまで14万8千光年もあるのに,30年なんて,ほぼ同時じゃないの?こんな大きな宇宙に同時性があるものか!
まあ,それはともかく。
それでは,14万8千光年ならぬ,1万4千8百キロメートルぐらい離れた,日本とオーストラリアで,科学技術はどっちがどれだけ進んでいるか?
私の17年の経験から言うと,
特定分野の先端技術は,オーストラリアの方が数ヶ月から2-3年進んでいる。それ以外の部分では日本がおおむね進んでいるだろう。
しかし,応用技術ということになると,オーストラリアは,殆どすべての分野で,ずーと遅れていて,平均して20年。ものによっては50年ぐらい遅れているのではないか?いつになったら,オーストラリアにシャワレットが普及するのか?多分,人類が滅亡する方が早いとみた。
たとえば,今では当たり前のブロードバンドインターネットだが,導入はオーストラリアの方がずっと早かった。21世紀を迎えたばかりのころには,進んだ家庭には,ブロードバンドがあった。しかし,広く普及するとなると,断然日本が早く,2-3年であっという間に日本が追い抜いた。オーストラリアでは,いまだにダイアルアップで満足している人が少なからずいる。まして光ケーブルなんて,オーストラリアではまだまだ先の話である。
私のギョーカイであるソフトウェアエンジニアリングの分野でも,やはり最先端技術の殆どはアメリカから流れてくる。英語の情報をそのまま得られるオーストラリアは,なにかと日本より進んでいる。しかし,ひとたびエンジニアが真面目に取り組みだすと,日本の方がすぐれているように思える。
そんな中,オーストラリアの方が日本より進んでいるものがあるにはあるのだ。
一つは銀行のATMだ。24時間利用でき,口座の種類や引き出し回数にもよるが,基本的には利用手数料はかからない。
あと,小切手の入金もできる。これ,日本のATMでできたっけ?
もう一つ挙げるなら,CityLinkだろうか?これは,有料高速道路の課金システムだ。
日本はこの分野ではどうしてしまったのだろう?
日本の鉄道の出札・改札のシステムは世界一だろう。ほぼすべての札とコインが使えて,コインなどは,複数枚同時投入可能。最近ではSuicaなどのプリペイドカードもでき,いちいち切符を買わず,しかもJR,私鉄,バス,すべてに共通で使用できる。すごいの一言だ。
自動改札機も,あれだけの人がじゃんじゃん利用しても人の流れが滞ることはない。
メルボルンの切符自動販売機。札は使えるが,お釣りは5ドルまでしか出ない。利用開始から出札までに軽く30秒はかかる。ちなみにこの機械,大型冷蔵庫ぐらいの大きさがある。やれやれ。
自動改札は,入れて,ワンテンポあってから切符が出てくる。しかも扉のこっち側に出るのだ。その間,客は扉のこっち側で立ち止まって待つ。出てきた切符を引き抜いて,初めて扉が開くようになっている。こんな自動改札が日本にあったら,とたんに将棋倒しで死傷者が出る。
ところが,ところが!高速道路はどうなってんの?
ETCを初めて見たときは,あきれて口がふさがらなかった。
スピードを落とすの?専用ゲートがあるの?しかも全車が利用するわけではない。
うそだろう!
CityLinkは単に普通に100キロでゲートを通り抜ければいい。ゲートといっても,道路全体をまたいでいて,歩道橋を抜けるのと同じ感覚である。もちろん全車線で感応する。E-Tagというディバイスを車につけるが,たとえなくても,ナンバープレートを識別するので,ちゃんとお金が取れるようになっている。道路料金自体は高いけど,便利は便利である。
今日,日本のニュースを見ていたら,ETCのゲートでの追突事故が多いので,バーを上げるタイミングを少し遅くするんだそうな。
そもそも,スピードを落としたりするのは,流れを乱すわけで,これこそが渋滞と事故の原因なんじゃないの?どうしてこんなシステムができてしまったんだろう。お役人と業者の癒着みたいなものが裏にあったのではないか?
臭う臭う!