もう日付が変わってしまった。すでに1時半を回っているが,今書かなければ永久にお蔵入りなので,手短に書く。
2ヶ月ほど前に会ったある人が,私のブログを読んでいるというので,感激。その方のFacebook経由のリクエストにお答えしたい。
表題にあるように,本日(実際には昨日)の晩御飯にバクテーを作って食べた。
バクテーを初めて知ったのは,今から6年前,2006年の7月に,東京に里帰りした帰り道,クアラルンプール(以下KL)に寄って2泊したときのことだ。KLのことをいろいろ下調べしているうちに,バクテーの存在を知った。また,KLに住んでいたことのあるI氏からも,情報を仕入れ,なにやら非常においしいものであるということで楽しみにしていた。
KLに着いたその日だったか,ホテルのコンシェルジュに付近のうまいもの屋について聞いた。コンシェルジュはいろいろと無難なところを教えてくれたのだが,次に「バクテーが食べたいんだけど」といったら,とたんに態度が変わった。急に目が輝いたのだ。
「何!バクテー!?バクテーですか?おーっと,ちょっと待ってくださいよ!」といった感じでやや狼狽しつつ,背後にいた同僚と相談。そして,ホテルから歩いて5分ぐらいのところにある店を教えてくれたのだ。
翌日の昼食をその店で摂った。暑い中,店先の単なる屋根のあるコンクリート打ちっぱなしのテーブルで,親子3人で一つのなべをつついた。うめえのなんの。感動した。
メルボルンに帰ってから,バクテーを探し求めた。しかし,マレーシア料理の店にいっても,バクテーは置いてない。なかなか見つからなかったのだが,しばらくして,会社(当時Camberwell)のそばに新しくできた中華系のレストランでバクテーを発見。早速試してみた。なんとなくパンチが足りないけど,まあまあだった。しかし,値段も10ドルちょっと。この値段でこの味だったら,毎週通うというほどの魅力は感じなかった。
それからさらに2-3年が経過しただろうか,あるとき,エイジアングローセリーで,バクテーの元を発見したのだ。早速買い求めた。袋を開けるとティーバッグがあり,これと肉やにんにくを合わせて,なべで煮ればできあがり。
大変簡単で,そこそこの味が出る。もちろん,本場物にはかなわないけど,これなら,また作って食べようかという気になった。
とまあ,前口上が長くなったが,とにかく,この即席バクテーの元。最近さらに進化してきた。
本日使ったのはこれ。
そう,バクテーは,漢字で肉骨茶と書く。元々,薬草の入ったお茶なのだ。
中身はこの通り。単なるティーバッグではなく,なにやらいろいろと薬草だか,きのこの一種のようなもの,またナツメとおぼしきものも数個入っている。オレンジ色の木の実のようなものはなんだろうか?
で,作り方は簡単。先ほどのティーバッグと大差ない。
にんにく数粒と,豚の三枚肉を適当に切ってなべに入れ,(実際には,長時間煮るわけではないので,三枚肉の皮は除いた。)
バクテーの元セットの中身をぶちまけ(オレンジの木の実だけはビニールから取り出す),
そこに1.5リッターの水を入れて,沸騰したら火を弱めて,ことことと45分間煮る。
適当にアレンジして,途中,白菜を投入。まあ,ちょっと邪道かもしれないが,野菜が不足気味なので,よしとする。
45分後,出来上がり。
醤油と唐辛子の輪切り,にんにくのみじん切りを薬味などを薬味にする。コリアンダーなんかも合うだろう。
今日は,あいにく唐辛子がないので,チリフレークで代用。にんにくと醤油の代わりに,根本家秘伝の焼肉のタレを使った。このタレは豚肉に最も合うので,なかなか良かった。
ご飯が進んでしまうのが玉に瑕か?
ところで,Facebookに寄せられたコメントによれば,バクテーには白と黒があるそうだ。これが食べ終わったあとの残り汁なんだが,どうやらこれは黒かな?シンガポールのバクテーはもっと薄い色をしているらしいから,それが白になるのだろうか?
これも,何度もレンゲですくって飲んでしまった。
ちなみに,今回使ったバクテーの元は,いままでのティーバッグオンリーのものより,薄味だった。色はごらんのように濃いけど,塩気はそれほどない。これだけで,飲んでも,あとでのどが渇いたりしない感じ。
これから暑い日にはバクテーがいいかもしれない。