ウチのおひい様は,Year7。日本で言えば中学1年生である。昨日まで,彼女を悩ませていたのが数学の宿題。これはMath Challengeとかいう問題集(といってもたったの6問の小冊子)なんだが,先生が,数学ができると判断した子にやらせている,「進んでいる子のためのちょっと難しいテスト」である。まあ,それでもクラスのかなりの人数がこれをやらされているので,ウチの子が際立って数学が得意というわけではない。むしろ,本人は数学が嫌いだし,苦手なようである。
もちろん,親は手伝ってはいけない。ただし,最終的な答えに導くアドバイス程度はOKである。で,私もかなりシャシャリ出て,あーでもない,こーでもないと助言してしまった。
オーストラリアの学校の算数,数学のレベルは,日本に比べたら,10馬身ぐらい遅れている。じゃないや,えーと,まあ,ざっと2-3年遅れている。もっとかもしれない。
たとえば,ウチのおひい様なんか,掛け算の九九がいまだにあやしい。割り算なんて,私の100倍遅いし,よく間違えたりする。
しかし,ここでは,計算が速くできることは,別に重要ではないと考えられている。それより,数学のコンセプトを理解することが大事だし,さらに言えば,計算以外に,もっと考える力を養うことが大事だという方針がある。
確かに,このMath Challengeを見ると,単純な計算問題などは皆無で,日本ではあまりお目にかからないだろうなという問題がでてくる。もっとも,日本の私立中学の入試問題の方がはるかに難しいかもしれないけどね。とにかく,単に学校で習っていることが分かっているだけでは解けない問題が多く,自分なりにいろいろ考えないと,解答にたどり着けない。
では,具体的には,どういう問題が出るのかということで,この中から,私が,なかなかいい問題だと思ったものを紹介しよう。
皆さんも挑戦してみていただきたい。
Q1. 8桁の数字がある。各桁の数字をアルファベットでABCDEFGHと表したとする。1から8までの数字をそれぞれ一度ずつ使って(つまり0と9は使わない)数字を作り,
ABCが7の倍数,BCDが6の倍数,CDEが5の倍数,DEFが4の倍数,EFGが3の倍数,FGHが2の倍数(つまり偶数)になるような組合せをすべてあげよ。
Q2. 正方形を5×5に並べた枠があるり,以下のように白と黒で塗り分けられている。(フォントの関係で,きれいに表示されないかもしれないが,チェス盤のようなチェッカー模様になっていると思って見ていただきたい。)
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この正方形に1から25までの整数を埋めていき,1を除く各々の数字について,その数より一つ小さい数が隣(上下左右いずれか)に,必ずあるように配置する。
a. 1は白の正方形には置けない。理由を説明せよ。
b. 二つある対角線のどちらかの線上の黒5個に,1,3,5,7,9すべてを置く事はできない。理由を説明せよ。
c. 二つある対角線のどちらかの線上の黒5個の合計が33になるような配置を考えよ。(解は複数あるが一つ示せばOK)
d. cで,33は合計の最小値である。その理由を説明せよ。
ということで,大人の皆さん。挑戦してください。電卓使用OK(特にQ1は,電卓の使い方がカギかも)。
配点は, Q1: 30, Q2: a:10/b:10/c:20/d:30 の100点満点。
制限時間はQ1が30分,Q2が20分にしておこう。
答えは約1週間後に掲載します。