F1練習走行日:オフィシャルプログラムを読んで(最終回)

オフィシャルプログラム要約+コメント最終回。今日は練習走行。いや,熱かった!今シーズン,formula1.comはLive TimingというWebアプリを開発。
練習走行のタイムがリアルタイムで更新され,一覧表示される。
仕事中,これをチラチラ見ていたら,もう仕事になんないったら!
午前は路面が湿ってて,路面温度も低く,タイムがあがらなかったが,アロンソが執拗に周回を重ねて,ラップを取った。1分29秒台はアロンソのみ。そのあと,マッサ,ヴェッテル(BMWのテストドライバー),ハミルトン,バトン,中島!の順。中島悟の息子,一貴がやってくれた!これは父を越えるかもしれない。

練習走行1回目の結果-Live Timingより

午後は,路面も乾き,さらに要所にタイヤのラバーがくっついたせいで,当然ラップが上がる。マッサがラップ,ライコネンも終了間際にフライングラップ。惜しくもマッサに届かず2位。その後,ハミルトン,フィジッケラ,ハイドフェルド,ヴュルツと続く。この上位6人が1分27秒台。


練習走行2回目の結果-Live Timingより

トヨタもホンダも本家よりエンジン供給チームの方が速かった。ホンダはこのままでは非常にまずい。明日に期待だ。

さて,オフィシャルプログラムの続きだ。

ホンダ(昨シーズン4位):ホンダRA107/エンジンもホンダ
監督:ニック・フライ
カーナンバー7:ジェンソン・バトン(イギリス)27歳
カーナンバー8:ルーベンス・バリッチェロ(ブラジル)34歳

(プログラム要約)
昨シーズンのことは,前半,後半ではなく,三つに分けると説明しやすい。最初の2/3,「平凡」,あとの1/3が,「確かな手ごたえ」である。
ルノーとフェラーリを除けば,最後6レースでどこよりもポイントを上げた。この6レース,二人あわせて12回スタートして,11回分がポイントにつながっている。そして,ハンガリーでは,ジェンソン・バトンの初優勝だ。独立したコンストラクターとしては,ホンダにとっても実に39年ぶりの勝利である。最終レース,ブラジルでも表彰台を得て,6レースで49ポイント。この6レースに限れば1レース平均8ポイントを獲得している。その前は?最初の12レースは,バトンはマレーシアで表彰台。ここメルボルンではポールポジションを取っている。二人合わせて,最初の12レースで37ポイントを獲得しているから,良くはないが,悲惨というほどでもない。どん底はマグニクール,予選は13位と17位。決勝は一団の後ろをうろついているうちに,枕をならべてエンジンブロー,煙と共に去りぬである。
それでも,昨季レースに勝てたわずか3チームの一つというんだから,どうなっているのだろう?
ニック・フライは,相変わらず楽観的である。
「まあ,勝てる状態になってきて,いろいろやることをやってきた結果でしょう。この分でいけば2007年はもっと勝てるだろうし,チャンピオンに向けて挑戦できるでしょう。ゴールが少し近くなったってところですか。」
ドライバーのラインナップは去年と同じ,加えてクリスチャン・クリンとテストドライバー契約を結んだ。オーストリア人,弱冠23歳。去年の最後の勢いを維持できれば,今季も力強いスタートが切れるであろう。ニックの言葉どおり,「挑戦」を続けることが,長丁場を乗り切ることにつながるであろう。

(コメント)
金曜日の練習走行の結果を見てしまった。ホンダはスーパーアグリや,トヨタより遅かった。大丈夫か?楽観していていいのか?どうもこのニック・フライというおじさんは人が良さそうでいけない。今のホンダに足りないものは,本田宗一郎の,中村監督の,桜井監督の,徹底的なチャレンジ精神とファイティングスピリットだ。ドライバーの二人も人が良さそうである。悪役ドライバーがいなくなって久しい。かつてのプロスト,マンちゃん。こういうアクの強い,人を押しのけてでも勝つというドライバーが必要だ。F1は運動会じゃない。お遊戯やっている場合じゃない。もっといえば,マシンを地球色に塗ってる場合じゃない。きっちり順位がつき,それが金になるビジネスなのであり,巨大自動車メーカーの代理戦争なのである。勝ってなんぼである。できれば全勝して,F1をつぶすぐらいの気合が必要だ。
バトンはスーパースムーズで速い。でも強いドライバーではない。どこか線が細い。バリッチェロも,ホンダに来てから,どうもニコちゃん大王である。二人とも,勝つ気あんのか?がんばってくれ。おれはホンダのファンなんだぞー。
今シーズンの予想は4位だったけど,今日の結果を見ると5位か?あるいはトヨタにも食われて6位か?心配だ。希望としては3位ぐらい取ってほしい。バトンは3位になれる実力はある。しかし6位あたりが妥当か?バリッチェロはもっと悪いだろう。8位ぐらい?
メルボルンでの希望的予測,バトンがポール,バリッチェロ3位。決勝は3位と5位。
今日の結果を踏まえたもっと現実的な予想。バトン8位。バリッチェロ12位。
明日午前中の練習走行で,なにかきっかけをつかんでくれることを期待する。


オフィシャルプログラムのコレクションその2
これが1996年から今年までの合計12回のメルボルンでのF1GPのオフィシャルプルグラム。すべての年観戦にいったわけではない。いままで指定席で3回,自由席で5回ぐらい見ている。左上から右に1996年,1997年と進み,右下が今年のプログラムである。

BMWザウバー(昨シーズン5位):BMW F1.07/エンジンもBMW
監督:ドクター・マリオ・ティッセン
カーナンバー7:ニック・ハイドフェルド(ドイツ)29歳
カーナンバー8:ロベルト・クビカ(ポーランド)22歳

(プログラム要約)
2007年シーズンはチーム内のバトルが面白い。評判のルーキー,コバライネンはルノーでフィジッケラを越えるか?フィジッケラは常にアロンソの後塵を拝し,勝ち方を忘れている?あるいは,フェラーリ。マッサとライコネンはどちらがシュー兄の後継者としてエースの座に落ち着くのか?
そしてもっと面白いのがこのBMWの二人である。2006年シーズン,ジャック・ビルヌーブが去ったあと,新人クビカが起用された。その後の6レースに出場。これが先輩ハイドフェルドを刺激した。それから二人は,想定外の表彰台を得るのである。最後の6レースの得点は,ハイドフェルドは10,クビカが6。先輩がなんとか面目を保ったが,実際にはクビカの方が速いというもっぱらの評判である。元のボスであるピーター・ザウバーはクビカの参戦で,ハイドフェルドのラップタイムが1秒良くなったと証言する。現監督のマリオ・ティッセンはこの競り合いがチームにとっていい方に作用していると見る。「どっちみち,完璧に仲良くできるなんてことは有り得ないんだからね」
メルボルンでも二人のタイムは要チェックである。二人の順位が近かったら,なおのことおもしろい。ビルヌーブは昨季,12レースで7ポイント。言い方を変えれば,半分のレースしか走らなかったクビカより1ポイントよかっただけである。彼が抜けたことで,ハイドフェルド,クビカのコンビはドイツの名門メーカー,BMWをコンストラクターズ部門5位に引き上げたのである。しかもBMWとして独立してレースを初めた最初の年だったのだからすごい。今シーズン,この勢いでいくと,順序としては,まずホンダが食われることになりそうだ。

(コメント)
いや,侮れない。金曜の練習走行。速かったのは,フェラーリ,マクラーレン,そしてBMWの順である。これはホンダを食う。ルノーも食うということである。いままでの予想はルノー3位,ホンダ4位,BMW5位だったが,これはどうやら3位にBMWが来そうだ。今シーズンの台風の目まちがいなし。ただ,ハイドフェルドはいいときと悪いときがはっきりしている。コンスタントに上位に食い込めるようになるかどうか。これがポイントだ。クビカも驚異の新人ではあるが,傾向としてはハイドフェルドに似ている。というか,まだ経験が浅く,コンスタントに得点を重ねることができないだろう。この不安定要素がなくなったとき,BMWは本当にチャンピオンに輝く日がくるだろう。
今シーズン予想。は上記のとおりコンストラクター3位。ハイドフェルドがドライバーズで7位,クビカが8位。
メルボルンではハイドフェルドはひょっとするとフロントローかもしれない。とりあえず3位の予想クビカも5位ぐらいか?


というわけで,明日はこれを着て,予選を観に行きます。

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