水難の週末

昨日,日曜日は我々夫婦と友人夫婦4人でゴルフの予定。場所はIvanhoe Public Golf Course.

10時ちょっと過ぎ。ゴルフ場に着くと,駐車場に車がほとんど停まっていない。5-6台がせいぜい。
へー,みんな出足が遅いねえなどと思っていた。
プロショップ入口になるべく近い所に車を停め,テールゲートを開けてゴルフバッグを出す。そしたら,停まっていた車のうち2台ぐらいが出て行った。
「おお,あの人達,もう終わっちゃったってことは,ずいぶん朝早くからやってたんだねー。」
と驚いたりしていた。

そうしたら,目の前のパッティング練習グリーンにいたお兄さん。「Excuse me!」と声をかけてきた。
「今日はクローズだよ。」
「え?」
「今日はコースはクローズ。見てごらんよ,ホラ!」というので,彼の指差す方をみて,びっくり。
このような景色が飛び込んで来た!

ああー!なんだこれはー。

 

このコース。プロショップが丘の上にあり,InもOutも打ち下ろしでスタートする。
その打ち下ろす先がすべて湖と化していた!

仕方がないので,プロショップを冷やかして,お茶して帰った。
ついでにゴルフバッグを買ってしまったりして,金ばかり落とす,カモネギ客となってしまった。
来週のコンペに合わせて,練習するつもりでいたのに,あてが外れた。困った。

新年早々,クイーンズランドの洪水は,日本でもニュースになった。メルボルンもこの豪雨のおこぼれをもらい,場所によっては床上浸水した家屋もある。
それから3週間。クイーンズランドには,さらに大型のサイクロンが上陸。水害がぶり返し,クイーンズランドは踏んだりけったり。
そしてこのサイクロン,「Cyclone Yasi」という変な名前(香具師かよ!?)なのだが,湿った空気を乾燥大陸オーストラリアに持ち込み,この影響で,ここメルボルンにもゲリラ豪雨をもたらしたのだ。

それが先週金曜日の夕方から夜にかけて。場所によってはまたもや洪水となった。

うちのあたりは,夜8時ごろから猛烈な雨となった。雨樋があふれ,雨が屋根から直接落ちだし,ガラス窓はすべて滝の裏側のようになった。

あんまりたくさん降るので,ついでに車を洗ってしまえと思いたち,愛車アコちゃん出動。
すこしあたりを1週した。うちのあたりは,比較的回りより高い土地なので,洪水の可能性はない。ないと思っていたが,うちの「線路際の袋小路」を出た通りの隣の通りは,その地帯でやや低くなっているところがある。低いといっても数十センチ程度のものだ。しかし,そこに回りから水が押し寄せてたまり,すでに池のようになっていた。タイヤ半分ちょいが沈むぐらいの深さだった。豪快に水を蹴散らし,ついでにホイール洗浄!

水が出るかどうかは,土地が高いか低いかだけではなく,そこの下水が処理しきれるかどうかにもかかっていることが分かった。処理能力を上回る雨が回りから押し寄せれば,当然,水がたまりだすのだ。

雨は断続的に夜中も降っていたが,我が家の回りは大丈夫そうだった。

翌土曜日の朝,まだ暗いうち。隣で寝ている妻がひざか何かの関節をポキポキ鳴らしているような音で目が覚める。
なんだ,足でも痛むのかいな?
ポキポキ音はほぼ3秒に一度ぐらいのテンポ。延々とやっている。
何だ,どうしたんだよー!と声をかけるつもりで寝返りをうったら,突然足に冷たい感触。フトンが濡れてる。

「ギャー!雨漏り!」
すぐにこの音が雨漏り音だったと気づいた!

夕べの風雨で屋根瓦が飛んだのだろうか?

仕方なく,起き上がる。6時半だった。
まずは,ポリバケツを持ってきて,ベッドの上に置いた。
関節ポキポキは,小気味よいポンポンという太鼓のような音に変わった。

車のブート(トランク)からつなぎと帽子を引っ張り出す。
これらを身に着けて,娘のキャンプ用ヘッドランプを借りて頭につけた。
居間のコーヒーテーブルを天井裏入口がある通路に置き,その上に脚立を重ね,天井裏に登った。

雨漏りは,ヒーターダクトの枠からたれている。

梁を伝って歩き,その部分にたどり着いた。確かにダクト出口の回りがうっすら濡れている。
しかし!?
この水がどこから来ているのか,わからない。
屋根は幸い無事。それはグッドニュースだけど,それ以外に濡れている場所がないのだ。一体この水はどこから来たか?

まさか,暖房の機械に浸水して,ダクトを伝って水が来ているんじゃないよね。
でも暖房の機械付近も特に風雨が吹き込んだような形跡はなかった。

天井板の上には断熱材(インシュレーター)が敷いてある。ふかふかの綿状の素材で,厚さ15cmぐらい。縦横は50x70cmぐらい。これが隙間なく敷き詰められている。しかし,ダクト周辺にはこれがない。
ためしに,ダクトのとなりのインシュレーターをめくってみた。あった!インシュレーターと天井板の間に幅3-5cmの水脈ができていたのだった。

この水脈をたどったら,インシュレーター2ブロック分,玄関方向に行ったところにたどり着いた。屋根はそこで終わっていて,確かに屋根の終わりの構造材が濡れている。しかし,その大元はどこなのか?

おそらく,夕べの雨。雨樋があふれ,このあたりが屋根の谷になっているため,ここからあふれて天井裏まで浸水したものと思う。

今はもう,水も止まっているようなので,雨がやめば,自然に雨漏りもなくなるだろう。

古いバスタオルを持ってきて,濡れた天井板を拭き,水脈の元になったブロックに敷いて,とりあえず作業終了。
簡単そうだけど,実際には,梁以外に体重をかけられないので,梁に足と手を突っ張って体を支え,だんだん低くなる屋根と天井の間に頭を突っ込んでの作業。頭が傾くと,ヘッドランプがずり落ちたりして,悪戦苦闘。天井板が乾くにつれ,私の背中がその分汗で濡れていった。
週末の体力をすべて使ってしまった感がある。

おかげで今も,背中が筋肉痛である。

というわけで,我が家にも思わぬところに水難ありというこの週末であった。

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