マーク・ウェーバー2連勝!

マーク・ウェーバーがなんと,モナコで勝ってしまった。それもポールトゥーウィン。
タイヤ交換後も1位でピットアウトしたから,トップを一瞬も譲らない完全勝利だった。伝統のモナコグランプリ,今年はシリーズ第6戦となる。
シーズン開始当初,マーク君はドジの連続。第3戦こそベッテルに続いて2位となったものの,やっぱり,ベッテルには敵わないし,こんなドジの連続じゃあ,きっとビッグ4の8人のドライバーの中で最下位になるのではと思っていた。

そうしたら,先週のバルセロナでいきなりのポールトゥーウィン。そしてその勢いのまま臨んだ昨日のモナコの完全勝利。
モナコでのオーストラリア人の優勝は,クーパー・クライマックスで出場したあのサー・ジャック・ブラバム以来。1959年のことだというから驚く。私はまだ生まれたばかり,0歳児のころの話である。つまりは,私は現在51歳だから,51年ぶりのことなのだ。その間,ジャック・ブラバム自身も1970年までF1ドライバーとして走り続け,1959,60,66年と3回ワールドチャンピオンに輝いているが,59年の後,モナコでの勝利はない。また1980年にはアラン・ジョーンズがオーストラリア人としては二人目のワールドチャンピオンになっているが,彼はモナコが苦手だったのか?モナコでは優勝していない。

ということで,マーク君は,どえりゃあことを成し遂げたわけである。オーストラリアのモータースポーツ史に,また一人スーパースターが誕生したと言っていいだろう。

マーク君はこれでチャンピオンシップポイントでベッテル小僧と並び,優勝回数で上回るため,ラダーのトップに躍り出た。すごい!

まあ,このあと,ベッテル小僧が黙ってないだろうし,フェラーリ,マクラーレンもこれで終わったわけじゃない。それに加えて,4強の一角シュー兄いとロスベルグジュニアのゲルマンコンビが必ず一太刀ずつぐらいは舞ってくれるはず。さらには,今回光っていたルノーエンジンの本家,ルノーチームのクビッツァは,これからも必殺仕掛け人であり続けるだろうし,今回はクラッシュしたが,またもや気迫を見せてくれたバリチェロおじさんあたりが絡み,そんなこんなで,マーク君がこのあと易々とワールドチャンピオンに突き進むとは,夢にも思っていない。
しかし,とにかく,これからますます面白くなりそうなF1 2010シーズンである。

F1熱が全く冷めてしまった日本であるが,トリノオリンピックで不振だった日本のスポーツ界の人々には,是非ともこのF1グランプリに注目していただきたい。
F1グランプリは,ヨーロッパ文化の権化であり,こういう人たちと伍して戦っていかなくては,世界は獲れないということを是非学んで欲しいものだ。

今回のモナコグランプリに例をとるなら,一人だけタイヤ選択で違うことをやって,あわやポールポジションかというところまで行ったロベルト・クビッツァ。予選三位に甘んじ,スタートダッシュできれいにクビッツァを出し抜いて2位につけたセバスチャン・ベッテル小僧。ピットスタートから6位までのし上がる鬼神の走りを見せたフェルナンド・アロンソ。非力なマシンで4強を脅かしたバリチェロ。そして,最終ラップ。セーフティーカーがいなくなったその一瞬にかけてポジションをひとつ上げたシュー兄い。結局反則と判定され,6位から12位に降格となったけれど,隙あらば突く。この貪欲さはさすが皇帝である。そして,何より,土日二日間,一度も首位を譲らなかったマーク君の精神力。これがなんといっても今回一番の殊勲であることに変わりはない。

こういうところを見るだけでも,学ぶところは多い。さらにF1界を追っかけていけば,パドック裏では魑魅魍魎が跋扈している。政治と,金と,実力とハッタリが入り乱れる世界。これがヨーロッパのスポーツであり,これが世界なのだ。
ということでカムイ君もがんばってもらいたいものだ。

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