キャッツアイとハイパーウノ

今日,ひょんなことから昔熱中したトランプゲームのことを思い出した。

若いころ,とくに学生時代とか,就職してから最初の数年は,ほぼいつでもなんかのゲームにはまっていたように思う。

特にトランプゲームは中学時代に友人と暇さえあればやっていた記憶がある。
そんな中でも,熱中したものとしては,ブラックジャックとか,セブンブリッジだろうか?ナポレオンも定番だが,私はなぜかナポレオンはやったこともないし,今だにプレーできない。
で,今日思い出してしまったのは,「キャッツアイ」である。これは確か中学時代にクラブの大学生の先輩から教えてもらったように記憶しているが,今となっては定かでない。それをすぐに同級生とやるようになり,ブラックジャックやセブンブリッジより,さらに輪をかけて熱中していたと記憶している。1972年から73年ごろのことだったろう。

ルールは大体UNOと同じと言えば分かり易いだろう。それをトランプのカード52枚でやるわけで,ReverseとかSkipといった特殊カードはなく,こういう役札は普通の番号札に割り当てていた。
そういう意味では,ページワン(アメリカンページワン)とかドボンにより近い。しかし,ページワン,ドボンと決定的に違うのは「逆回り」,「一つ飛ばし」といった役札の数字が固定ではなく,ゲームごとに変更されるということである。

親は,カードを配る前に,シャフルした手札の上から順番に4枚のカードを表向きに並べて出す。もし数字に重複があったら,それは無視され,もう一枚開く。とにかくこうして,4種類の数字が出揃う。
これを親が出した順番に,「逆回り(Reverse)」,「一つ飛ばし(Skip)」,「オールマイティー(Wildcard)」,「2枚取り(Draw Two)」に割り当てるのである。しばらく晒した後,親はこのカードを手札に入れ直し,再び切り直してから配り始める。つまり,ゲームごとに変わる役札を覚えておく必要があり,プレイヤーは,「4,7,A,2」とか頭の中で暗誦しつつ,ゲームを行う。
その他,UNOやページワンなどと異なるルールは,

  1. ドボンはない
  2. チョンボは4枚のペナルティー(だったと記憶する。2枚だったかも?)
  3. 出せる札がないとき,山札から1枚取っておしまい。もし,これが出せる札でも出せない。
  4. 自分の番で,出すと残り1枚になるときに,「ページワン」とか「UNO」ではなく,「キャッツアイ」と言わなければならない。言わないとチョンボ。
  5. 出せる札は一番上のカードと同じスイート(マーク)か同じ数字のカードであるが,もし同じ数字のカードを出すとスイートが変わる。このとき,自動的に逆回りになる。これによって,以下のことが起きる。
    • 「2枚取り」を出された次の者も「2枚取り」を持っていれば,2枚取りを回避し,次の者に押し付けることができるが,5のルールにより,同じ数字を出せば逆回りだから,最初に「2枚取り」を持っていた者が4枚取りになる。さらにこれに報復できる場合,4枚が8枚と倍返しになって最初の2枚取りを求められた者に返ってくる。さらにさらに,これを返せる場合,さらにさらに倍返しとなるので,最初に「2枚取り」を出した者の16枚取りとなる。(これが最大)
    • 「逆回り」で折り返された次の者がこれに「逆回り」を重ねると,「逆回りの逆回り」なので回る方向は変わらない。これはチョンボを生みやすい。
    • 「一つ飛ばし」で二つ隣の者が再び「一つ飛ばし」を重ねて出すと,逆回りでかつ一つ飛ばしとなるので,最初に「一つ飛ばし」を出した者の番になる。これもチョンボを生みやすい。
    • 特に3人で遊ぶ場合,「逆回り」が出たときと「一つ飛ばし」が出たときの次の番は同じ者となるが,そこに同じ数字を重ねたときの結果は違う。これは最もトリッキーな瞬間である。

慣れてくると,役札表示を手札に戻すまでの時間が短くなっていった。最終的には,4枚を並べるのではなく,シュッシュッシュッシュッ!と1箇所にカードを上向きに重ねるだけで,すぐさま仕舞うというところまでシビアになった。重複があったらそれは無視し,4種そろうまで淡々とカードを繰り出し,すぐし仕舞われてしまう。見落としたらアウトだ。非常にシビアかつストイックなゲームで,夜遅くまでやると,本当に疲れてチョンボが続出するようになる。もちろん中学生のころなんかシラフでやってたのに,そうなったもんだ。

これに加えて,フェイントを入れたり,自分の番なのに,ギリギリまでそのそぶりを見せずにチョンボを誘ったりといった技を応酬するのである。こんなエキサイティングなカードゲームが他にあろうか?

この「スイートが変われば逆回り」というのは,UNOにも応用できる。これを私はHyper UNOと呼んでおり,私はいつもこのルールを推奨,いや半ば強制的に適用してやっていたと思う。これのいい所は,2枚取りの応酬が当事者に限られるところである。
しかし,UNOの場合,同じ色の「Draw Two」カードが複数枚あり,Draw Twoの回避に同じ色のDraw Twoを使う可能性も出てくる。
これを利用してルールをさらに拡張したものもある。つまり,逆回りになるのは「色が変わった場合のみ」というルールも成り立つ。これはトランプでもやろうと思えばできる。色が変わる,すなわち,スイートが変わっても,赤から黒,または黒から赤に変わらないなら,逆回りにならない。というルールも有りである。こうなると,2枚取りを当事者二人で応酬していたと思いきや,いきなり第三者に振られることもあり,とばっちりを受けた人は災難だ。しかし,これこそが,実社会により近いものなのではないか?などと思う今日このごろ。

また,徹夜でキャッツアイを存分にやってみたいものだ。

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