一繋がりの不運

日本に着いた。たどり着いた。二日がかりの旅であった。なお,以下に書く顛末は昨日12月20日の出来事である。

今回は,QantasのFrequent Flyerポイントで取れるチケットで,いいものが見つからず,取れたチケットはシドニー経由。しかもシドニーからはQantasではなく,Qantasの子会社の割安航空会社,JetStar便となった。JetStarは成田には飛んでおらず,関西空港行きだ。我々は,到着当日は,関空付近のホテルに泊まる予定になっていた。

12月20日。午前5時起床。なんだかんだで出発が遅れた。
あわただしい出発。
空港の長期駐車場に車を停めて,シャトルバスで出発ロビーへ。

チェックインを済ませ,まずは8時30分初シドニー行きQantas便へ。

ゲートに着き,暫く待つと,メカニカルトラブルで少々出発が遅れるとの放送。

その頃から,豪雨となり,ときどき稲光と,雷鳴が轟きはじめた。

またも放送。
作業が予想以上にかかり,さらに出発が遅れるという。
ボーディングタイムは当初の8時15分からドーンと飛んで9時に。

シドニーで12時発Jet Star便に乗る予定である。どんなに遅くとも,10時30分にはシドニーに着いていないとだめだ。
この時点ではまだ危機感がなかった。

さらに放送。バッテリー交換が必要と判明して,今交換用バッテリーの到着を待っている。出発は少なくともさらに40分遅延するという。

この時点で,シドニーで別便に乗り換える人は,サービスカウンターへという呼び出しが付け加えられた。

中には我々よりシドニーを早く出発する便に乗る人が沢山いた。その人たちは,別便に振り分けられた。
しかし,我々は,現在のところ,修理を待ってそのまま待てば大丈夫という判断で,別便にならなかった。

さらに20分。修理はさらに遅れる見込みとなる。
ここで,再びサービスカウンターに呼ばれ,遂に別便,しかも最初のグループが振り分けられた便の次の便に振り分けられた。

すべてはこの辺から始まっていたのだ。もっともそう判ったのはずっと後のことである。

待てど暮らせど,その振り分けられた便も出ない。それもそのはず。折からの雷雨で,到着すべき飛行機が着陸を見合わせて上空を旋回しているらしい。我々が乗るべき飛行機も,まだ到着していないのだ。

到着を待ってようやく見込みが立ったときには,すでに10時近い。ボーディング開始時間は10時丁度と出た。シドニー乗換えはギリギリのタイミング。ちなみに,元々乗るはずだった飛行機のボーディング開始時間は10時5分。あんまり変わらないじゃないか!

この予定時間はさらにダラダラと引き延ばされた。搭乗してからも出発が遅れ。滑走路にたどり着くまでにも,時間がかかり,実際のテイクオフはすでに11時10分前だった。

シドニー到着は11時50分過ぎ。

シドニー経由経験者は,ご存知と思うが,シドニー空港は,国際線と国内線のターミナルが,広い敷地の反対側に位置している。ここからバスに乗り,国際線ロビーへ。

ここで出国手続きが長蛇の列。散々待たされて,我々の番となる。私のビザは現在,失効した旧パスポートにあるため,これと,現行パスポートとの2冊を併せ持っている。さらに,旧パスポートには,現行ビザと失効した旧ビザが貼られている。そのせいか,係のお姉さんが入力してもビザの確認がうまくいかない。何度も入力をやり直して,やっとパス。ここで5分をロスした。

次は,国際線ロビーに入るためのセキュリティーチェックだ。これがまたすごく混んでいる。しかもチェックがうまくいかずにやり直しを命じられている人が何人かいて,全体にストレス暴発寸前の雰囲気。その中で検査官はさらに入念にX線透視画像をチェック。ますますスピードが遅くなっている。ここでも10分近くをロスした。時計はすでに出発時間の12時を30分以上上回っていた。

やっと搭乗口に。家族3人。物も言わずに60番ゲートに突進。60番ゲートは,ウイングの一番端である。幾つもの動く歩道の上を小走りで進み,エスカレータを駆け上がる。この日,出勤していたら昼休みはピラティスの時間だった。お金を捨てることになるが,その日のレッスンを休んだわけだが,内心ほっとしていた。ところが,いつものピラティスよりつらい試練が待っていた。汗だくで60番ゲートに到着。もう誰もが搭乗済みと思いきや,なんとまだ搭乗は開始されていない。

やれやれ間に合った。ほっと一息。トイレに行ったりして一息ついた。いやついたかと思う少し前。またも放送。

搭乗予定の飛行機のメカニカルトラブルの為,飛行機を替えることとなり,全ての搭乗客は30番ゲートまで移動するよう指示が出たのだ。

笑った。

もう,怒る気にもならない。なんだか,最初のトラブルの時から,今日は何か上手くいかないんだなと思っていた。もう何が起きてもビックリしない。またか!?そう思っただけ。その後にでてくるのは笑顔だった。この後,何が起きても,もう全く驚くことはなかった。

30番ゲートは別ウィングである。またもや15分ぐらいかけて民族大移動。

30番ゲートではしかし,荷物の積み替え,食事の積み替えなどで,予定していた時間になっても,搭乗開始にならない。

食事の再検疫中です。

ほんまかいな。またも笑みが浮かんだ。嘘付けばかやろう!

搭乗開始。ところが,Qantas発行のボーディングパスを持っている人は,別の列に並び直させられ,チェックイン作業をもう一度やるという。我々もその列に入れられるはめになった。このチェックインがまた,すごくのろい。JetStarが直接発行したボーディングパスを持った人がすべていなくなっても,まだ列は長く伸びていた。

結局,この便が出たのは,予定の3時間遅れ。午後3時だった。

当然到着時間は大幅に遅れ,日本時間10時ちょっと前。

機内放送でしきりに到着が遅れたことを謝っている。

「嘘つけ。ぜんぜん反省して無いくせに。またやるぞこいつら。」そう言いながら笑った。

出国手続きを済ませ,荷物が出て来るのを待つ。

暫くして預けていた2個のうち大きい方のスーツケースが出てきた。

ところが,その後もう一個が待てど暮らせど出てこない。

今日泊まるホテルまではシャトルバスが出ていて,それの最終が10時35分。ところが10時30分現在。まだもうひとつの荷物が出てこない。

「ああ,これもだめだね」

すでにそう悟っていた。

やがて,カルーセルが停止した。もう何もないよというサインである。

空港係員が寄って着た。荷物はまだ出てきませんかと。出てこないからいるんだろうが,あほう!

クレーム手続きをして,税関を通って,出てきたのが10時50分ぐらいだったか?

残念だが,シャトルバスはもうない。

タクシーだ。

ところがタクシー乗り場には,待てど暮らせど,タクシーが来ない。

我々の前には5組ぐらいの先着組が待っている。そこに20分に一台ぐらいのペースでタクシーが来る。

ホテルに連絡して,ホテルからもタクシー会社に頼んでもらう。これも一向に功を奏さない。

ホテルに再び電話。ホテルでも呼んでいるが,タクシーは我々を見つけられないという。

「バス乗り場の3番ですよね?」

馬鹿か?タクシーを待っているんだから,タクシー乗り場の3番に決まってんだろう。

その後も頼んでくれたようだが,タクシーの運ちゃんは「よくわからねえ」といって断ってしまうらしい。

結局,タクシー乗り場の係が呼んだタクシーがボチボチ来るようになり,12時ちょっと過ぎ,やっとのことでタクシーに乗り込んだ。

ホテルについて,風呂に入ったりして,眠りに着いたのは,午前2時過ぎ。メルボルン時間午前4時である。

ほぼ24時間の長い長い1日が終わった。

現在すでに12月22日になってる。

今日の午後,確認の電話を入れたが,我々の荷物はどこにあるのか,まだ判っていないという。今日の便に昨日の積み残しが載っているのではないかと思われるが,それについては,申し送りがある場合と無い場合があり,現時点ではわからないという。

判り次第,連絡して欲しいと伝えると。それは今日中には無理だとの答えだった。

なぜなら,今日の便は昨日よりさらに遅れているからだそうだ。

JetStarってすごいですねー。みんなも乗ってみてね。すごく楽しいですよ。私は笑いが止まりませんでした。

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