バレンタインデーの日本語授業

今朝,娘から聞いた話。

昨日のバレンタインデーに日本語の授業があったそうだ。日本人の先生なので,日本では,女から男への愛の告白の日となっていることを紹介。(何度も書いたが,これは日本だけの話で,最近は,両方向になりつつあるものの,ここでは,あくまで男から女へという方向が主流だ。)

そして,さっそくこの機をとらえ,日本語の授業にこれが取り入れられた。
男女ペアによる「電話での会話」というシチュエーションが設定され,これにいくつかのルールを入れて,レッスンが行われた。

ルールは,
1. 女の子が,男の子に「好きです」と告白する。
2. デートの約束をする。
3. デートの場所,時間などを話し合う最,必ず相手の提案を一度は断る。理由もつけること。

などだったようだ。
まあ,こうしてキャーキャー騒ぎながら,楽しく授業するというのがオジー流である。

娘はカーティス君と組まされた。その他,カツミ君という,日本人とオジーのハーフの男の子(ただし,家では英語オンリーのため,学校で習っていない日本語は「ボク,チンチンでかいです」しか言えない)とその相手のルーシーの会話など,非常におかしかったという話であった。
ここでは,その辺をミックスして,一組の会話にして紹介する。
なお,話が敬語なのは,彼らがまだ敬語しか習っていないせいである。また,もっとくだけた言い方はあるが,彼らは,自分が習った文体に沿って話すので,かなりぎごちない会話となっている。まあ,そこがおもしろいのだが。括弧は私のコメント。

女:「もしもし,アキです」
男:「もしもし,アキさん。こんにちは。」
女:「こんにちは。あのー,私,カーティス君が好きです。」(コラコラ唐突に何てことを!ダディーはまだ許可してないよ!)
男:「いいでしょー!」(どうしてここで「いいでしょー!」になるのかは聞かないこと。彼なりに,苦心して出した返事)
女:(爆笑してしまい,言葉が出ない)
男:「えーと,私もアキさんのことが好きです。」(こんなにうまくいくものか?)
女:「それでは,デートしましょう。」(女から誘うか?)
男:「はい。ではいつにしますか?」
女:「土曜日はどうですか?」
男:「土曜日は,スポーツの練習がありますから,いそがしいです。」(カーティス君すごい!教科書どおりにようできた!)
女:「それでは,日曜日と月曜日はどちらがいいですか?」(おい,月曜日サボる気か?)
男:「日曜日がいいです。どこに行きますか?」
女:「映画を観にいきましょう。」
男:「私は映画を観ることが好きではありません。ビーチに行きましょう。」(これも教わった文体を使ってよくできた!しかし強引なやつだ!)

と,まあ,こんな調子だったようだ。
やはり,アドリブで,ある程度くだけたことを言う必要に迫られる。ネイティブじゃないと,苦し紛れに「いいでしょー!」などと言ってしまう。これは実際には,チンチンでかいカツミが言ったせりふだそうだ。カツミ君には悪いが,こういうところが我々にはおかしくって,爆笑の種である。

そういえば,私の会社にいるアメリカ人,大阪に何年か住んでいたこともあり,ちょっと日本語(じゃなかった!関西語)が話せるのだが,ある朝,
「お元気ですか!?」
というので,
「はい,おかげさまで」
と模範解答してやったら,そのリアクションが,
「いいですよっ!」
だった。
うーん,ちょっとちがうんだがなー…
そうはいっても,どこがどう違うのか,どうすべきかという説明も面倒なので,聞き流してしまった。

とにかく,こういう,ただの一言がとんちんかんになって,おかしいのである。
などと,思い出し笑いをしていて,ハッと気づいた。

私が今もし,オジーの女性を好きになり,デートに誘うとしたら,こんなようなたどたどしい英語で,口説くことになるのだろうか?

そう思っただけで,やっぱりパツキンは止めておこうと決心してしまった。

なお,娘と我が家の名誉のために一言付け加える。カツミ君に「ぼくチンチンでかいです」という言葉を教えたのは,娘ではない。

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