学校の違い:日本とオーストラリア

メルボルンの公立学校(Pulic Schools)は,今日から授業が始まっている。
例年だと,公立が1月26日のオーストラリアデーの直後あたりからスタートし,私立学校がその次の週の月曜とか火曜に始まるパターンなのだが,今年はどういうわけか?公立が後になった。うちの娘などは,先週の木曜日に科目別のオリエンテーションがあり,授業は今週月曜日から開始している。どうして今年だけ違ったのか?いまだに謎だ。

違うといえば,日本の学校と,こちらの学校,いろいろ違うところがある。オーストラリアの学校は,1月末または2月の始めのこの時期が,学年の始めで,12月のクリスマス前までである。日本のように4月からでもないし,アメリカのように9月からでもない。ところが会計年度は7月始まりの6月締めとなっている。

ビクトリア州の義務教育は何年間か?
答えは11年間。日本より2年も長いのである。もっとも日本では中卒はほとんどいないだろうから,12年というのが実質的な義務教育となるだろう。

義務教育の始まりは小学校1年生のひとつ前,ビクトリア州ではPrepという学年がある。シドニーではこれをKindyというそうだ。
これは日本でいう幼稚園の年長クラスであるが,ここからが小学校(Primary School)の受け持ちである。つまり,小学校の新入生は1年生ではなく,Prepだ。小学校には7年間通うことになる。

そしてHighschool,あるいはSecondary School。これは7年生から10年生までの4年間が義務教育である。
今ちょうどうちの娘が11年生になったばかりであるが,11年生と12年生はVCEという大学入学のためのカリキュラムで授業をする。それ以外の選択肢はないので,大学に進学する意思のない生徒は,10年生で学校を終えることになる。もちろん,娘の行っている私立学校などは,基本的に全員が大学,あるいはそれに類する学校(合わせてTertially Educationsという)に行くので,10年生で卒業という人はまずいない。

大学進学には,VCEの授業の成績と,最後のVCEの試験(まあセンター試験のようなもの)で総合ポイントが決まり,そのポイントと,取った授業の種類により,行ける大学,行ける学部学科が決定する。こういうシステムである。日本のような一発勝負ではない。しかし,この2年間は結構まじめに勉強することになる。そうはいっても,オーケストラ,クワイア,スポーツなどの課外活動,今までどおりに活動するし,さらには,希望者をオーディションで絞ってやるミュージカル,オペラなどは,短期集中で例年どおりか,上級生として,もっと中心となって活動することになる。まあ,高い学費を払っているんで,いろいろやってもらいましょう。

もうひとつ,おもしろい違い。
こちらでは,始業式などはなく,いきなり授業が始まる。上記のとおり,先週,娘はオリエンテーションに出たが,これは生物のコースに途中から編入してもらうための特別措置であり,全員参加ではない。通常は新学期開始日イコール授業開始日である。
始業式どころか,入学式すらない。Prepもいきなり始まるわけだ。これには最初は面食らった。さすがに公立校は,最初午前中だけとか,慣らし期間があるようだが,うちの学校は初日から弁当持ちで,普通に授業をやる。もっとも保護者が教室まで付いて来て,先生や他の父母と,ひとしきり談笑。子供が落ち着いたところを見計らって,三々五々帰っていく。時間はだんだん短くなるが,これが最初の数週間は続くし,親が少なくともロッカーまでは付いていくというのは,2-3年生まではよく見られる光景である。

最後に今朝聞いて驚いた,娘の学校のすさまじいところ。
各自ロッカーが与えられるが,ロッカーは,廊下,または,校舎の壁際の屋根付きの部分に設置されている。これには男女の区分けがない。たとえば体育で着替える場合,一応男女別のシャワールームがあるので,そこで着替えができる。しかし,ほとんどの男女が面倒なので,ロッカーの前で,男女入り乱れたまま着替えてしまうそうだ。男はパンツ一丁で平気で歩き回る。女は,下着を一切見せずに着替える一連の方法があるのだそうで,慣れると手際良くできるそうだ。他校から来た新入生は,この方法が分からず最初はかなり戸惑うそうだ。日本から来たりしたら,即日登校拒否になりそうだ。

そういえば,こっちの学生は,駅のホーム,あるいは電車の中で,平気で地べたにあぐらをかく。女の子も,平気であぐらだ。スッと沈み込み,スカートで股をすっぽり隠し,ひざ小僧だけ出して座る。これは,通学中に限らず,外で集まって,座らされるときなどもそうで,小さいころから,慣れているのである。大人もスカートで平気でドロップハンドルのロードバイクやマウンテンバイクなどにまたがって乗っている。こういう女性にかかったら,ニッポンの草食系男子などは,ことごとく食われてしまうであろう。

話は戻って,学校の始まり。とにかくこれで,長い長いホリデーシーズンが完全に終わり,来週から社会全体が普通に戻るというわけだ。クリスマスの飾りつけもさすがに見かけなくなった。通勤通学で道が混むようになり,そのうちF1グランプリの準備で,通勤路はますます不便になる。

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