参鶏湯で仕上げ

すでにメルボルンに戻って,火曜日から通常勤務。
東京を発ったのは7月18日日曜日。東京は梅雨明けし,気温も30度を軽く超えていた。
逃げるように帰って来たメルボルンは,平年よりぐっと冷え込んでおり,最高気温は連日12-13度だ。

からだがもたん。

しかし,その悲鳴をあげる体を,こいつがささえているのでは?

という前触れをいれつつ,ソウルレポート,最終日4日目にいきたい。7月158日木曜日。

花より団子。食い気80%,買い気19%,観光はたったの1%だった今回の旅。
さすがに最終日の朝食は,重いものは無理という状態になった。

そこで,ホテル近くのパン屋さんで適当にパンを買って食べることにした。

店の名前は「Bread Talk」。
ロゴやその色使いがメルボルンに展開しているパンのチェーン店「Bread Top」にそっくり。
ひょっとすると,同じ系列なのかもしれない。
店内の雰囲気もかなり似ていた。ただ,同じような商品もあったが,置いてあるパンの種類はTalkの方が多かったような気がする。
また,Topも店内にパン工房があるが,Talkの場合,よりオープンキッチン風になっており,パン作りが店に入った客のすぐそばで行われている。

レジ子の兄ちゃん。英語が通じない。何か聞いているのだが,よく聞き取れないので,聞き返した。ああ,どうやら袋は要るかときいているなと感づいたが,そのときにはすでに彼は,カチャカチャとレジのキーボードに何やら入れると,レジの上部を指差していた。なんと,レジの機械の上部にLEDの表示があり,そこに英語で「Do you need a plastic bag?」と質問が表示されている。どうやら想定問答集みたいなものがレジの機械にプリセットされていて,それを選んで表示しているようだ。すげえなあ。

さて,朝食のあと,また明洞の街を買物して歩く。といっても,私は特に買うものなし。
貪欲に歩き回っているのは,もちろん,娘である。友達へのお土産ということで,化粧品の店などに入り,いいカモになって,どんどん,財布のひもが緩んでいく。
しかし,値段が手ごろで,メルボルンでは到底手に入らないような品物をいろいろと見せられ,緩む方もハッピーなのだ。いくつか薦められるままに買ったら,お目当ての花より男子韓国版のポスターがもらえ,さらにおまけのサンプルなどがたくさん付いてきて,うれしい悲鳴をあげていた。まったく,おまけに弱いやつだ。
こういった,小娘対象の化粧品屋は,この界隈に山のようにあり,店員も全員小娘である。そいつらにコスプレ真っ青のユニフォームを着せている。そして,必ずそのうちの一人がマイクを頭につけて店先に立っていて,道行く人に声をかける。普段は韓国語だが,日本人が近づいて来たと見ると,いつのまにか語尾が日本語になっていたりするので驚く。
「チョギンサラミエヨ,チゲイサデソデヨ。パッチョゲヨサぁいかがですかぁ,お安くなってますよ!」みたいな感じだ。(失礼,カタカナの部分はでたらめです)

さて,今回のソウルで,まだ一つだけ食べていないものがあった。それは,

参鶏湯。サムゲタンである。

3泊の旅。夕食の回数は3回。いろいろ考えると,この参鶏湯はランチに回すしかなかった。

そして,今日がその最後のランチである。

行く店は2-3軒に絞ってあったのだが,この午前の買い物の場所から,最終決定したのが,明洞地区の南西部にある,「栄養センター」。行ってみると,お昼どきということで,すでに満員。店内の順番待ちの椅子で収まらず,外に客がはみ出している。ちょっと躊躇しかかったが,他の店に行って,そこが大丈夫という保証もない。待ち客をさばいている兄ちゃんに聞いたら,「10分ぐらい」というので,待つことにした。すぐに順番待ちの椅子に座ることができ,1-2分ごとに横に移動していって,みるみる順番が回ってきそうだった。しかし,人数の関係から後回しにされ,ちょっとあせっていたら,「相席でいいか?」と聞かれたので,迷わずOK。

ここも,有名なのに,日本人の客がほとんどいない。昼休みのサラリーマン。家族連れから,買い物中の奥様連まで,客層はさまざまながら,みんな地元の人っぽい。相席になったのは買い物中と思われるおばちゃん二人組。

もう最後だし,躊躇なく一人ひとつずつオーダーすることにした。ただ,娘は参鶏湯の大きさに圧倒され,バーベキューチキンのランチセットにした。これがそのランチセット。

ここも他のレストランと同じで,キムチはおかわり自由。キッチンに巨大なキムチのケースを発見!すごい量である。右に見えるのは通常水を入れるピッチャーで,ここに左のケースからキムチを取り分け,テーブルを回り,少なくなっているところに補充していくのである。圧倒的なキムチ攻撃である。

さて,これが参鶏湯。鶏がまるまる一羽分スープの中に入っている。スープは運ばれてくる時点では沸騰している。

鶏をほぐすと,中から,もち米がでてくる。そう,鶏のお腹にもち米が詰まっているのである。

そして,参鶏湯の「参」の意味がこれで分かる。もち米の他にこの三種類のものが入っている。

左から,栗,ナツメ,そして朝鮮人参である。

スープは,この鶏からのみ取ったという感じで,あっさり味。自分で塩,コショウ,キムチなどを適量いれて味を調えていいそうだ。

よく煮込まれていて,肉は柔らかく。とろとろ。

もう,これで結構です!という満腹感。ああ,これでソウルの旅もおしまいだ。今はもう何も入らないが,まだ食べていないものがたくさんあるようで,後ろ髪を引かれる思い。

などと思っていたら,どっこい!食後は,また買い物続行だ。ホテルはすでにチェックアウトしており,荷物を預けて,ついでに空港までのタクシーも予約してある。そのタクシーが来る時刻だというのに,Zaraに入り込んだ妻と娘はまだ出てこない。「おーい,もうタクシーが来ちゃうから行こう!」と催促したら。妻はレジの長い列に並んでいる。そして娘は,まだ服をつかんで迷っている。「ねえ,これ,ちょっと大きいと思うんだけど,ひとつ下のサイズがないんだよ。店員さんいないかなあ」などと,帰ることはまったく忘れている発言。あわてて店員を探しまくり,すぐに娘の所に連れて行った。店員はトランシーバーで直接在庫を確認。下のサイズは無いと分かった。しかし娘は諦めず,結局そこにあるサイズの服を一着買ってしまった。走って妻のところに行き,レジに間に合わせて,連携プレー成功。この時点でタクシー予約時刻を過ぎており,私は一足先にホテルへ急いだ。

タクシーはすでに来ていた。あわてて荷物を出してもらいタクシーのブートに積み込む。やがて妻と娘が追いつき,そのままタクシーに乗って空港へ。あー疲れた。

帰り便もAsiana航空で金浦空港から羽田へ。またもや機内食がよかった。焼肉ごはん。

行きはブルゴギ風だったが,今度は素直な焼肉。キムチはお約束でついて来たし,これに冷奴(左上の丸いパック)までついてきた。この豆腐がまた味があっておいしかった。Asiana航空最高!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です