オジーの物理問題 (コアラ問題)

うちの娘は,現在,ある試験を目指して猛勉強中である。

この試験,基本的には理系の試験だが,小論文など,理系以外の項目もある。そして理科系の科目は,かなり広範囲にわたって出題される。

今日,物理の練習問題をやっていた娘が,「この問題はオーストラリアでしか,ありえない」といって,次の問題を見せてくれた。(以下の日本語訳は,すこし簡単にしてある)

問:あるスキーヤーが斜面を滑っていた。そこに突然,体重20kgのコアラが木から落ちてきて,スキーヤーの背中に抱きついた。

空気抵抗や,コアラがスキーヤーに衝突したときの衝撃を無視する(つまり,スキーヤーの体重が突然20kg増えたとみなす)とし,また斜面のスキーに対する摩擦係数も変化しないと仮定して,このスキーヤーのスピードはどうなるか,以下から選べ。

A:加速する

B:減速する

C:加速も減速もしない

みなさん,お分かりであろうか?理系の人ならできて当然なのだが,これは万有引力の法則と等しい。もし空気抵抗が無視できるなら,すべての物体は等しい速度で落下する。真空中であれば,鳥の羽でも鉄の玉でも同じスピード,同じ加速度で落下していく。これが,斜面を滑る場合でも基本は同じ。

ということで,斜面を滑っているときの鉛直方向の加速度に変化はない。

さらに,摩擦について考えると,摩擦による抵抗力は全重量の雪面に対して直角方向の成分に比例して増える。しかし,加速力も体重に比例して増えるため,これらは相殺され,加速度は重量で変化することはない。

したがって,正解はC

次の問題は,ここに雪面の摩擦係数を考慮する。これはスキーヤーならある程度知っていることなのだが,スキーが滑る原理はスキーが雪面に接している圧力により,接地面の雪が融け,その融けた水が潤滑に寄与することにより滑りやすくなる。だから,同じスキーを履いたら,体重が重い方がスピードが出る。滑降競技を見ていると,急斜面でのスピードガンの結果は体重の重い選手の方が速い。ただし,一般に,重い=体が大きい=空気抵抗が多いとなるので,体重が重い選手が有利ということはなく,さらに重い程コーナーでの遠心力(曲がるために雪面に対してかけるコーナーに外向きの力)が大きくなることもあり,重いのは却って不利である。

ただ,今はコアラが突然落ちてきたときのことのみを考えるので,この場合,

正解はA

となる。

まあ,とにかく,コアラが落ちてくるという発想がなんともオジーである。

「オジーの物理問題 (コアラ問題)」への1件のフィードバック

  1. コアラの主食であるユーカリプタスの樹は降雪地帯には生えません。
    よって前提からして間違っているのでやり直し!

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