温泉旅行(其の壱)

だいぶ遅くなったが,先週行った温泉旅行について。

初日の目的地は,十日町市松代(まつだい)に程近い芝峠温泉と呼ばれるところ。住所表示は新潟県十日町市蓬平(後で調べて分かったが,これは「よもぎひら」と読む)となる。旅館の名前は雲海。由来は,この旅館から雲海がよく眺められるからだそうだ。

今まで知らなかったが,六日町から上越市をほぼ直線でむすぶ私鉄ほくほく線というのがあって,松代という駅もある。この鉄道は高速特急が目玉で,なんでも最高速度160km/hを誇るとのこと。そのほとんどがトンネル内を走っているので,今回,列車には全くお目にかからなかったが,松代城に登ったときに音だけ聞いた。線路の継ぎ目から出る音のテンポが確かに異様に早かった。

前回書いたように,我々親子3名,義母,義妹とその娘,計6名御一行様である。妻の家系は女系であり,義母は6人姉妹の次女である,この6人姉妹の子供は計9名。そのうち男はわずか2名である。そんなことも手伝い,今回の旅,私は黒一点となった。

関越自動車道を練馬から入り,ひたすら北進。前回書いたように,関越トンネルを過ぎたら,雪となった。スキー場銀座を通り抜ける。ゲレンデは一面雪が積もり,どこも滑れそうに見えるが,積雪は少なく,多分ターンするたびに土が出そうだ。トンネルを離れるにつれ,標高も下がり,雪はやがて雨に変った。

六日町ICで降り,左折。国道253号線に入り,峠越えで再び雪深くなったが,路面には積もっておらず,やがてトンネルを抜けて峠をやり過ごした。

十日町。

ここで昼食となった。

十日町といえば,名物はそば。それも「へぎそば」が有名。「へぎ」という大きな木枠に竹のすのこを敷いた入れ物に,そばを一口分ずつ分けて盛る。

十日町は祝日でほとんどの店が閉じている。そんな中,クルマを流しながら,野生の嗅覚で,小嶋屋という蕎麦屋を見つけ出した。皇族も訪れたことがあるという,なかなか由緒ある店だった。ここのそばは十割で,つなぎに布海苔という海草を使う。これは青森産だそうだ。そばの風味が強く,腰があって,つるつるしている。

さて,芝峠温泉雲海。到着したころ,雨は上がり,青空が出てきた。

着いて早速風呂につかった。

夕食はご当地産品を使った盛りだくさんのお膳。

おしながきは以下のとおり(当て字はそのまま)

  • 先付: 柿白和え(新道柿組合)
  • 造里: 鰆・烏賊・甘海老・鯛・紅鱒
  • 煮物: きのこと里芋ののっぺ(津南産)
  • 焼物: 牛石焼ステーキ(新潟牛)
  • 揚げ物: 秋野菜の天麩羅(十日町市産)
  • 酢物: かきのもと巣ごもり(新潟県産)
  • 蒸物: 茶碗蒸し(新潟産卵)
  • 口変り: 糸南瓜なます風(十日町松代産)
  • 鍋物: 妻有(つまり)豚きのこ鍋(十日町産)
  • 香物: 野沢菜漬(長野県産)・糸南瓜漬(上越市浦川原区産)・かぶ漬(十日町市産)
  • 止碗: 里芋と大根の味噌汁(新潟県産)
  • 御飯: 白飯(コシヒカリ,十日町市松代産)
  • 水菓子: ミックスフルーツ(新潟県産)

おなか一杯になった。

食後,また入浴。露天風呂に浸かった。空には満月が出て,ご当地名物棚田を照らす。棚田の輪郭は,うっすらと残った雪でくっきりと月夜に浮かび上がっている。

そして,棚田の先にある盆地には雲がたまっていた。雲海とまではいかなかったが,雲の湖ぐらいにはなっていた。

これが深夜,満月の光だけで撮った棚田と雲海。

一夜明けても,雲がまだたまっていた。

朝食前に朝風呂。露天風呂からもこの雲海が良く見える。

さて,次の目的地は猿ヶ京だが,その前に松代周辺を観光。

まずは名物の棚田。これは有名で,カメラマンがたくさん撮影に来る。その旅館にも,カメラマンがたくさん泊まるのだそうだ。松代周辺にはいくつか有名な撮影ポイントがあるが,我々は一番近い,蒲生(かもう)の棚田を見た。

そのあと,松代城へ。3階建ての小さなお城のレプリカ。よせばいいのに,内装は気味の悪いアートで埋め尽くされていた。義妹の娘はまだ小さいので怖がって一人で歩けない始末。

その後,国道353号線を使い南東へ。途中日本三大渓谷のひとつ,清津峡に寄った。

従来,絶壁で水の流れを眺める場所は限られていたが,崖壁内部にトンネルが通り,合計4箇所の観覧デッキができた。数100メートル先の川の合流点なども見られ,なかなか面白かった。一面が柱状摂理となった断崖絶壁。紅葉と清水の流れ。見事な取り合わせだった。

其の弐に続く

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