がんばれPiazza Navona!

数日,所用で家を留守にした。その間,留守録しておいたテレビ番組がある。
夕べ,そのうちのひとつを見た。Channel 9のChopping Blockという番組。放送日は11月4日火曜日。このChopping Blockという番組,グルメ系番組のひとつで,二つのレストランの対抗戦である。
まず,レストランの内装,メニュー,味などを覆面審査員が審査,その結果を受け,一流シェフが助っ人になって48時間で指摘事項を改善。最初の覆面審査員が再び審査して,どちらが改善できたかを競うというもの。改善費用として双方に5千ドルが与えられ,勝者には2万ドルが贈られる。

10月29日付「やっぱりナボナはイタリアンのホームラン王です」にもちょっと触れたように,我らがイタリアンのホームラン王,Piazza Navonaがこの番組で取り上げられた。
相手は同じToorak Roadの並び,数件South Yarra駅寄りにある中華料理屋である。

内容をここで繰り返すつもりはない。もし,この番組を見てみたい方は,ご一報ください。DVDにコピーして差し上げます。
結論だけいうと,最終結果は星五つが満点で,Piazza Navonaが星三つ半。中華料理の方が四つもらって,Piazza Navonaは惜しくも敗れてしまった。
実は,本当は内容についても触れたいのだが,今回はもっと大変なことがあったので,これについて書く。

この番組の終了時,ジョバンニおじさんの奥さん,ローザさんの顔が大写しになり,
「この番組をローザに捧げる」とテロップが出たのだ!
え!どうしたんだ!?

ハードディスクに録画してあったので,すかさず巻き戻して見た。

なんと,ローザさんは,10月30日に亡くなったというのだ!
我々が行ったのは28日。その二日後である。

そういえば,あの日,いつものスタッフをあまり目にしなかった。
元気が,おっぱいとおしりに,はちきれそうに詰まった,娘のアンジェラもいなかった。
おそらく,あの日,ローザさんはもう危ない状態だったんだろう。

そうか,そうだったのか。

この番組を見て初めて知ったのだが,ローザさんはキッチンに入っており,ピザ以外の料理を担当していたのだ。
つまり,ピザはジョバンニ。それ以外はローザの味だったということだ。
その片翼がなくなってしまった。

もちろん,味はちゃんと他のスタッフに受け継がれていると思うが,大黒柱のひとつをなくした店の痛手は計り知れないものだろう。

私は,この番組の結果には納得していない。相手の中華料理の店には行ったことがないので,公正を欠くけれど,ここよりいい中華料理店はメルボルンで,他にもたくさん見つけることができると思う。
それに対し,Piazza Navonaよりいい店を私は知らない。もちろん,私は料理通ではないけれど,このひとつの事実をよりどころに,

「やっぱりNavonaはイタリアンのホームラン王です」

と相変わらず言い切れるのである。

それは,ともかく。

今,Channel 9のChopping Blockの記事を見て驚いたのだが,ローザさんは長い間,ガンと闘っていたのだそうだ。撮影準備段階では,小康を得ていたが,撮影に入ったころ再発が判明。しかしローザさんは撮影続行を決意,しかもこの病気については,番組の内容に一切盛り込まないように注文を出したという。女の意地。料理人の意地。まさに壮絶。坂本竜馬も真っ青の前向きの死であった。
ローザさん,お店のことは心配ないよ。R.I.P.

がんばれ!Piazza Navona!
これからも行きます!皆さん,応援してください。

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