やっぱりナボナはイタリアンのホームラン王です

このタイトルを見て,自由が丘,亀屋万年堂ナボナを思い出す人は,今ではどのぐらいいるのだろう。さらには,「え?イタリアンじゃなくってお菓子のホームラン王でしょ?」と思う人はどのぐらいいるのか?実際,これから話そうと思っているナボナはお菓子のナボナではない。イタリアンレストランのPiazza Navonaのことである。蛇足ながら,Piazza Navonaというのは,ローマにある広場(piazza)で,ローマで最も美しい広場といわれているそうな。その名前を冠したこのレストランは,メルボルンの(自由が丘+青山)/200といわれているSouth Yarraの街の,メルボルンの青山通り/100といわれているToorak Road沿いにある。メルボルンの環状(7号+8号)/2000といわれるPunt Road(注:ただしPunt Roadは環状ではない)との交差点に程近いところだ。なお,このレストランについては,もうかれこれ10年前に書いた私のこの記事を読んで欲しい。

そう,このレストランは,私がメルボルンのイタリアンレストランで一番と思っている店なのである。だから亀屋万年堂にひっかけて,イタリアンのホームラン王なのである。もちろん,もっと高級なイタリアンレストランはいくらでもあり,「ここに彼女を連れて行けば絶対に落とせる」などといわれている勝負レストランもあるぐらいである。しかし,味とサービスと手ごろな値段というバランスを考えたとき,この店の右に出るものはいない。

さて,夕べは,私が万年幹事を務める,日本人が集まる食事会があった。このレストラン,今年の5月にもこの会で利用したが,前回好評だったことに気を良くして,再び利用することにした。

とにかくピザ,パスタともにすばらしい。

まずどちらからいくか?ピザにしよう。ピザは生地が命だが,この生地自体の味がいい。

このレストランのオーナーはジョバンニおじさんという小柄な初老のおっちゃんである。ジョバンニおじさんは,派手にピザ生地を放り投げて,ぶん回したりはしない。両方の手の甲を丸めて,交互に生地をポテポテポテポテっと乗せかえながら回していく,するとこの方法でも,均一かつ,まん丸な生地になるのである。生地を慈しむようにして伸ばしていくところに,彼の熱意を感じてしまうのである。

お勧めピザは,まずは基本のマルガリータやナポリタンだ。マリナーラやジョバンニスペシャルもいいし,辛いの大好きな人にはレッドデビルもある。

パスタに行こう。

メルボルンは南欧系の移民が多いことで有名だ。たとえば,ギリシャ人。メルボルンはアテネ,テッサロニキに次いで世界で3番目にギリシャ人の人口が多い都市だという(未確認情報なので鵜呑みにしないように)。しかし,イタリア人はもっと多くて,そのギリシャ人を一桁上回る数のイタリア系移民がいるという。どこに行ってもパスタやピザのTake Awayには事欠かない。CarltonのLygon Streetなどという,ほとんど観光地と化したイタリアンレストラン街まである。

しかし,案外本物の味は他の街にあるもので,このPiazza Navonaがホームラン王なら,わが街ArmadaleのPizzeria Rossiniはさながら首位打者。同じくArmadaleのSugoは打点王といったところ。これら三つが私にとって普段着で行けるイタリアンのクリーンアップトリオである。

ところで,星の数ほどあるメルボルンのイタリアンレストランだが,悲しいかな日本人が納得できるアルデンテのパスタを出す店が殆どない。

まったくもって,アングロサクソンという民族は,「歯ごたえ」ということに鈍感で,これを味覚の一部と認識していないのではないだろうか?とにかく,こと,食い物のセンスについては,absolutely hopelessな人々である。昔働いていた職場にいた兄ちゃんなどは,スパゲッティをナイフとフォークで食すのである。しかもナイフで麺を食べやすい長さ(2-3cm)に切って,これをフォークの腹に乗せて食うのである。「胃袋に入ればいっしょでしょ?何が悪いの?」とのたまうので,悲しすぎて何も言い返せなかった。とかいって,実はそのころはまだ英語力がなく,何も言い返せなかっただけだったりする。へたなTake Awayの店でパスタをとると,食べやすいように,ご丁寧にパスタが短く切ってあったりするから,泣けてくる。

で,話を戻すと,ホームラン王のどこがすごいかというと,こうした中,納得のアルデンテを出す,数少ない店だということである。これが実はメルボルンではとても貴重なことなのである。

最近私は,カルボナーラにはまっている。なんでもカルボナーラは定番のナポリターナやボロネーゼを押さえて,日本人に人気ナンバーワンのパスタソースなんだそうで,私もミーハーであるということか。まあ,それはともかく,ここのカルボナーラは絶品である。生のタマゴを最後にあえた本当に濃厚な味だが,かといって,ひとつもしつこくない。昨夜もパスタ部門では,まずまっさきにカルボナーラを注文したが,このメニュー,さらなる進化を遂げており,真ん中に黄身がくずさないまま乗って出てきた。なんとー!スパゲッティ・カルボナーラ・コン・ツッキーミである!Wたまごポケットに進化した日清のチキンラーメンも真っ青である。

その他お勧めはボンゴレ,プッタネスカ,アマトリチアーナなどなど,まあ,どれをとってもほぼハズレはないだろう。ただ,ボンゴレは現在イボルブの最中のようで,つい最近までは貝の具だけがぎっしり入っていたのに,今回は殻付きの月並みなボンゴレロッソであった。なんでも,レストラン対決のテレビに出たとのことで,それに併せて改良されたらしい。もちろん味は悪くないのだが,個人的には前のボンゴレの方が好きである。この店の名物がひとつ無くなったようでちょっと寂しい思いをした。今度,あえてボンゴレビアンコを注文してみようかとも思う。その場合どういうものが出てくるか?楽しみだ。

そういえば,昨日のスペシャルで勧められて取ったラビオリ,詳細は忘れたが,ラビオリの中にはいっている具がたまらないおいしさだった。

あと,付け加えるなら,このレストランでMUSTのサイドディッシュはロケットサラダである。このサラダのドレッシングは,キャラメルを思わせる独特の風味で,私は,なんとかこのレシピを盗みたいと常々思っている。

おなかいっぱいピザとパスタを食べ,デザートちょっととコーヒー一杯。これで一人25ドルだった。今のこの異常な為替相場だと1300円ぐらいじゃあないですか!まあ,私は永住者なので,日本円に直しても意味ないけど。とにかく,この味と量を考えると有り得ねー安さである。

Piazza Navona
23-25 Toorak Road, South Yarra VIC 3141
Phone: 9867-3722

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