飲酒運転取締りの定説破れる

ビクトリア州では,ある程度の酒気帯び運転は合法である。

このボーダーラインはビクトリア州では,BAC(Blood Alchohol Concentration),つまり血中アルコール濃度0.05%である。
また,0.05%まで許されるのはフルライセンス所持者に限られ,Probational License(Pプレート,いわゆる初心者マーク付)所持者は,少しでもアルコール反応があったらアウトである。こちらの検問所では,タバコのパッケージを二回り大きくしたぐらいの箱に禁煙パイポみたいな白いパイプの付いた測定器を押し付けられ,そのパイプに息を吐けと言われる。フーっと十分息を吐くとピーっと音がして,結果がすぐ出る。

実は,この検問は,やる場所が大体決まっている。だから,長年ここに住んでいると,上手に避けて通ることも可能である。
ところで,このやる場所について,ひとつの定説がある。
「トラムの通る道路上ではやらない」
というものだ。理由は,チェックポイントがあると,トラムの進行を妨げてしまうからである。
これは,かなり説得力がある。
したがって,同じトラムが通る道路でも,CityからすぐのSt Kilda Road (セント・キルダ・ロード)のように,中央にトラム専用線があり,その両脇に2-4車線があるような道路は例外である。こういう場所なら,トラムの邪魔にならない。このCityからSt Kilda Roadに入ってすぐのところなどは,逆に検問の名所みたいなところで,通勤帰りの車が容赦なく餌食となっている。

しかし,片側2車線の道路で,内側車線がトラム軌道を兼ねているような道路では,通常やらないし,できないのが現状だ。

そう思っていたのだが,今日,その定説が覆された。

場所は,自宅のそば,Armadaleの,Dandenong RoadからWattle Tree Roadに分岐してすぐのところ。ちなみにDandenong Roadは中央にトラム専用線があり,この分岐点のあたりは,その両側に各5車線ぐらいある。そしてWattle Tree Roadは正に片側2車線で内車線がトラム軌道を兼ねている。通常なら,前者で検問をやる可能性はおお有りだが,後者では有り得ない。

しかし,今日は,このWattle Tree Roadで検問をやっていたのだ。
ただ,検査官は二人,それと誘導する人が一人,計3人でやる,ごく小規模のもの。通常だと,路上に専用のトラックが停まっていて,上記の検査機で引っかかった人がしょっ引かれ,正確に再測定されて,その場で切符を切られる。ところが,そういうトラックはない。時間は夜の10時近くで,この時間ならトラムの本数も少なく,来たら,そのときだけちょっと歩道に避けてやればいい。こういう方法もあったんだ。

幸い,今日は3時間前ぐらいにワインをグラス一杯飲んだだけ。酒気は出たかもしれないが,すでに血中アルコール度は下がっていた。
酒気が出たなと思ったのは,
「今日はお酒飲みました?」
と聞かれたからだ。
「ええ,3時間ほど前に,ちょっとだけ」
と正直に答えた。すると
「はい,結構です。」
とすぐに無罪放免。

「ふーん,トラムの走っているところでもやるんだー」と言ったら,
「そうなんだねー。High Streetなら大丈夫だったんじゃない?」と妻が言った。

そうしたら,この両親は,娘に怒られた。

「そういうことじゃないでしょ!どこなら運転できるかじゃなく,いつ運転できるかが問題なんでしょ!」

そうでした。ちなみに,「そういうことじゃないでしょ!」の後は,英語で言われた。
たじたじの父親。

「You are absolutely right! 」と応えた。

つまり,「お前は完全に右翼だな!」…じゃないって!
これはわざと誤訳したんだけど,この場面,この誤訳の方がしっくりくるね。

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